最新バージョン情報
あらゆる課題を大域的に最適化
Gurobi Optimizer:ソルバー
Gurobi Optimizer V.11.0
Gurobi 11.0では、非線形計画問題の大域的最適解を正確に・素早く確定することができるようになりました。この問題は、化学工学、電力流、価格最適化のような問題領域において有用なものです。さらに、パラメータ チューニング ツールの機能強化を実施しました。これにより、開発チームはチューニング作業において、技術者や作業の枠を超えて計算機資源を共有できるようになりました。
速度向上
これまでのメジャー バージョンアップと同じく、Gurobiユーザは、業界をリードするソルバーの速度向上を体験するでしょう。Gurobi 10.0と比較して、11.0は次の速度向上を実現しました。
全体的な改良 | 難しい問題(求解に100秒以上を要する問題) | |
---|---|---|
MILP (混合整数計画) | 8.6% | 12.4% |
MIQP (混合整数二次計画) | 12.8% | 22.8% |
Convex MIQCP (混合整数二次制約) | 9.2% | 18.2% |
Non-convex MIQCP (混合整数非凸二次制約) | 133.4% (2.3倍) | 480.2% (5.8倍) |
新機能と全体的な改良
速度向上に加えて、Gurobi 11.0では充実した新機能を提供しています。これらの多くは、ユーザからの要望を具体化したものです。
【混合整数非線形計画(MINLP)問題】
複雑な非線形問題の大域的最適解を正確に・素早く確定することができます。
関連するパラメータ:FuncNonlinear
【動的分散チューニング】
Gurobiでよく使われるパラメータ チューニング ツールの大幅な機能強化を実施しました。これによって、技術者や作業を超えて開発チームは、計算機資源を共有したチューニング作業を実施できます。
関連するパラメータ:TuneDynamicJobs、TuneUseFilename
【LPの並列実行制御の改良】
LPの並列実行において決定論的LP解法を選ぶか、非決定論的LP解法を選ぶか、どの手法を使うかの選択を利用者は正確に行えるようになりました。
関連するパラメータ:Method,ConcurrentMethod
【SolutionTargetパラメータ】
新しいSolutionTargetパラメータの設定によって、LP問題の最適基底解を必要としない利用者が、より短時間で解を得ることができるようになりました。
【新しいカット手法】
求解時間の向上を達成しました。
関連するパラメータ:MixingCuts
【環境間でのモデルのコピー】
モデルを、複数の環境下で同時実行することが可能となりました(計算サーバーには非対応)。
【Threadsパラメータ】
最適化を一度停止した後に、Threadsパラメータを変更して実行できるようになりました。
Gurobiクラスタ マネージャと計算サーバ
【SAML統合】
これまでのLDAPのサポートに加えて、SAMLベースのアイデンティティ管理システムとGurobiをシームレスに統合しました。これにより、ユーザアクセスの集中的管理とシングル サインオン(SSO)機能を利用することができます。
【Cosmos DBのサポート】
GurobiはMicrosoft® Azure® Cosmos DB®をサポートしました。これにより、クラスタの展開をより柔軟に行うことができます。
なお、MongoDB®およびAmazon® DocumentDB®は、従来通りサポートしています。
【利用性の向上】
Gurobiクラスタ マネージャは、新しいルック&フィールで利用することができます。また、ユーザ名の大文字・小文字の区別、改良されたデータフォーマット、最新のHTTP security headerを提供しています。
【実行時間制限およびメモリ利用量制限の強化】
Gurobi計算サーバでは、新しいパラメータで、実行時間制限やメモリ利用量制限を強制的に行えます。
Gurobi 10.0から11.0への移行
ほとんどのプログラムはそのまま移行可能ですが、以下の変更にご注意ください。
【NonConvexパラメータ】
デフォルトの-1の設定で、非凸問題の判定を行えるようになりました。
【Python言語でのgurobipy】
インストーラにはgurobipyおよびsetup.pyは、含まれていません。ユーザがインストールしたPythonでGurobiを使うときは、pipまたはcondaを使ってインストールする必要があります。
【Javaパッケージ】
名前が、gurobiからcom.gurobi.gurobiに変更されました。これにより、Maven Centralでのリリースが可能になります。
サポートプラットフォーム(v11.0)
対応OS環境は、お客様からの要望に応じて、適時、追加・修正される可能性があります。対応OS環境に関してのご要望および過去のバージョンにおけるサポートプラットフォームに関しては、お問い合わせよりご連絡ください。
Windows 64-bit (win64)
OS | Windows 10、Windows 11、Windows Server 2016®、Windows Server 2019®、Windows Server 2022® |
コンパイラ | Visual Studio 2017® – 2022® |
備考 | C++に関しては、gurobi_c++md2017.libをご利用ください。 |
Linux x86-64 64-bit (linux64)
OS | Red Hat® Enterprise Linux® 8、9 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | SUSE® Enterprise Linux 15 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | Ubuntu® 20.04、 22.04、24.04 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | Amazon Linux 2 2023 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
Mac OS 64-bit (mac64)
OS | macOS 12 (Monterey), macOS 13 (Ventura), macOS 14 (Sonoma) |
コンパイラ | Xcode 13、14 |
Linux arm64 64-bit (linux64)
OS | Red Hat® Enterprise Linux® 8、9 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | SUSE® Enterprise Linux 15 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | Ubuntu® 20.04、 22.04、24.04 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
OS | Amazon Linux 2 2023 |
コンパイラ | GCC 8.5以上 |
AIX® 64-bit (power64)
OS | AIX® 7.2、7.3 |
コンパイラ | XL C/C++ 9 |
備考 | AIX上では、 Python、MATLAB 、 R インタフェースはサポートしていません。 |
* AIX上でのPythonのサポート制限により、AIX上では、Interactive Shell または Python ライブラリをサポートしていません。Gurobi 11 は AIX をサポートする最後の Version となります。
Python
バージョン | 3.8、3.9、3.10、3.11、3.12 |
MATLAB®
バージョン | 2019a through 2023b |
R
バージョン | 4.4 |